WORK7

2012年 グッドデザイン賞受賞

住居兼飲食店 [地域の「縁側」となる住宅]

設置場所:沖縄県石垣市石垣

サステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて

この建築物は、赤瓦屋根による遮熱・放熱に加えて、日射状態の異なる表庭と裏庭との気圧の差によって、裏庭の冷気が建築物の内部を通り抜けるため、日射の強い沖縄において冷房負荷を軽減する仕組みになっています。また琉球石灰岩の土間や珪藻土の壁に加えて、地元の人々から提供していただき、インテリアと外構の一部に利用した古材は、時間と伴に建築物と地域の記憶を伝えます。

「身体・人間」の視点からみて

この建築物は、赤瓦屋根による遮熱・放熱に加えて、日射状態の異なる表庭と裏庭との気圧の差によって、裏庭の冷気が建築物の内部を通り抜けるため、日射の強い沖縄において冷房負荷を軽減する仕組みになっています。また琉球石灰岩の土間や珪藻土の壁に加えて、地元の人々から提供していただき、インテリアと外構の一部に利用した古材は、時間と伴に建築物と地域の記憶を伝えます。

「生活」の視点からみて

この建築物は、小学校の校門の前に立地することから、建設後は地域の人々や子供達の拠り所となっています。また、飲食店の接客動線と住居部分の生活動線は、周囲の庭を介して緩やかに繋がり、住宅としてのプライバシーが保たれています。加えて、建築物の荷重を中央と四方に逃がす登り梁を採用した傘のような屋根構造によって、フリープランが可能となり、敷地条件や様々な生活環境に対応する柔軟な設計を提案できます。

「産業」の視点からみて

この建築物には、建設が比較的容易なプレカット工法を採用しております。沖縄地域にこれまでなかったこの工法は、鉄筋コンクリート住宅の普及と伴に衰退しつつある赤瓦木造建築物の建設促進と、それにまつわる伝統的な産業や建築儀礼を継承します。また、来訪者を迎える中間領域を持つこの住宅は、周囲の塀も低いことから、オープンガーデンも可能となり、来訪者に対して新しい観光のスタイルを提供できます。

「社会・環境」の視点からみて

この建築物の居住者(移住者)は、伝統的な建築儀礼、および土間などの中間領域における交流を通して、地域に溶け込むことがでます。またこの建築物は、地元の子供達が出入りしていることから、冷房負荷の少ない生活スタイルの知恵を継承する「環境建築」の教材にもなっております。更にこの住宅は、将来子供達が大人になったときの交流拠点にもなりうることから、後の地域社会を形成する場(=地域の『縁側』)となるでしょう。

日本社会の皆様へ

現代では、監視カメラ等の管理のシステムが発達し、従来の地域社会に見られたような互いに支え合う社会構造が崩れつつあります。建築の設計において私たちが試みていることは、日常生活における互いの交流や視線の作法を促すような心地よい中間領域(セミパブリックスペース)を設け、昨今問題になっている孤立化社会からの脱却を目指す建築物のプロトタイプをつくることで、この住宅の空間構成はその一例です。

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